
大学オウンドメディアの利点とは?40件以上の事例を紹介!
コロナ禍でも大学の魅力を発信できるかたちとして、オンラインオープンキャンパスやオンライン学園祭などが注目されました。
情報発信のかたちが多様化していく中、大学のオウンドメディアも可能性を秘めた情報発信ツールの1つです。
今回はそんなオウンドメディアについて、その魅力や他大学での導入事例などを通して解説していきます。
オウンドメディアとは
オウンドメディア(owned media) とは、会社が持っている自社ホームページやパンフレットなども含めた、自社保有のメディアの総称を意味します。
ただ、現在は特に自社で運営しているブログやウェブマガジンなどを指してオウンドメディアと呼ぶことが多く、今回の記事でもこちらの意味でのオウンドメディアについて紹介していきます。
大学がオウンドメディアに注目すべき理由

大学がオウンドメディアに注目すべき理由は、オウンドメディアは発信した情報が蓄積し、時間を味方につけられることです。
会報誌などのメディアは一度発送してしまえばそれっきりですが、オウンドメディアではコンテンツをリリースするごとにWeb上に残り続けます。
そして、コンテンツを蓄積させていくことでメディアを大きくしていけるだけでなく、一つひとつの記事についても、掲載させている限り新規のユーザー流入に効果を発揮し続けられることが利点になります。
オウンドメディア制作のポイント
効果的なオウンドメディアを制作する上で、重要なポイントが2つあります。
それはゴールの設定と、ペルソナの設定です。
ポイント1)ゴールの設定

ゴールの設定とは、オウンドメディアを通して何を達成したいのか、具体的な目標を定めることです。
大学において考えられる目標としては、受験者数や大学ホームページの訪問者数の増加(ブランディング)、大学が運営するイベントの参加者をどれくらい増加させたいか、などを具体的な数値で定めておくことが重要です。
ここで定めた目標の方向性と数値に合わせて様々な戦略を立てていき、オウンドメディアによって何を解決するべきかを明確にしておく必要があります。
ポイント2)ペルソナの設定

次にペルソナの設定です。
ペルソナとは運営側が想定する読者像のことで、どんな人に向けて発信するかを明確にするものです。
どんな人に届いて欲しいか、そしてどのような反応を期待するか、そこから逆算してコンテンツを作成していくことが効果的にオウンドメディアを運営していく上で重要です。
大学オウンドメディアの事例紹介
ここからは、実際に大学が運営しているオウンドメディアの例をコンテンツの傾向やメディアの形態ごとに紹介していきます。
作っていきたいメディアの方向性の決定や、思わぬアイデア発見のきっかけになれば幸いです。
ありとあらゆるコンテンツを発信している事例
大学だからこそ発信できるアカデミックな知識などと共に、大学独自の魅力を発信している事例をご紹介いたします。
今まで大学に関心のなかった外部の方まで巻き込んでいける効果が期待できるメディア制作のアイデアが多数あります。
近畿大学:Kindai Picks
人気記事ランキング機能や閲覧数の表示など、ニュースサイトのような外観。
扱っている内容も芸能人などを起用した記事から豆知識的な内容の記事まで幅広いです。
青山学院大学:AOYAMA GAKUIN PLUS+(アオガクプラス)
記事の大まかなカテゴリー分けの中にキリスト教の項目があり、大学の特色が表れています。
ピックアップ記事の項目や注目のキーワードから記事を検索できたりと、記事への導線にも工夫があります。
京都大学:ザッツ・京大
InstagramやFacebookなどの投稿に添付されている写真をギャラリーのように散りばめているサイト設計が特徴。
それぞれの写真から各SNSへとアクセスでき、複数のメディアを連携させることで相乗効果が期待できます。
日本大学:CATCH-UP
卒業生関連の記事比率が多いだけでなく、記事のカテゴリーの中に付属校の項目があり、内進生を含めた学内コミュニティのつながり強化が期待できます。
早稲田大学:早稲田ウィークリー
記事数の多さに比例して記事のタグ付けがきめ細やかに行われており、外部の方が読んでも有益な記事へアクセスしやすくなっています。
イベントカレンダーやサークル検索機能、学内向けインフォメーションなど多くの機能が集約されています。
東洋大学:LINK@TOYO
「大人のための教養」をテーマに、アカデミックな記事から生活していくうえで有益な情報など、大学教員が執筆する記事を中心に幅広い内容のメディアが掲載されています。
右から左へキーワードが次々と流れていき、そこから記事へとアクセスできるようになっているなど、サイト設計にも工夫がみられます。
明治大学:Meiji.net
「教師陣が社会のあらゆるテーマと向き合うこと」をコンセプトに、社会で起きているさまざまな事象に関する記事がまとめられています。
記事のカテゴリー分けもなされており、人気記事ランキングや注目のキーワードから記事を閲覧する機能も備えています。
慶應義塾大学:Keio Times
記事のサムネイルがトップページにギャラリーのように表示されるサイト設計となっています。
大学関係者だけでなく、学生にとってなじみのあるキャンパス近隣の飲食店のインタビューなども掲載されており、コミュニティ強化にも期待が持てます。
立教大学:CLOSE UP RIKKYO
卒業生に関する記事やキャンパスライフ、グローバル化など、大学独自の切り口で記事がカテゴライズされているのが特徴です。
カテゴリーに対する説明も記述されており、大学からのメッセージを含めて、大学のリアルな姿を発信しています。
福岡大学:FUKUDA ism(フクダイズム)
記事の投稿頻度が早く、カテゴリー分けの数も豊富で人気記事ランキングなども公開されており、シンプルなサイト設計ながらも求められる要素を的確に盛り込んだメディアです。
國學院大學:國學院大學メディア
「全ての方向け」というタグがあり、学外のユーザーへの配慮が感じられます。
大学が発信していきたいメッセージや大学の歴史だけでなく、教養として有益な情報などが掲載されています。
一橋大学:HQウェブマガジン
「一橋の女性たち」や「時代の論点」などの独自の切り口でのカテゴライズが特徴。
記事の内容もアカデミックなものが目立ち、大学らしい教養を得られるメディアです。
学習院大学:学習院TIMES
ポリティカルなものからキャンパスでの様子まで、幅広い内容の記事が掲載されています。
大学からのメッセージを感じられる記事が多く、大学のリアルな姿や求める学生像の発信にも効果を期待できます。
順天堂大学:順天堂CO-CORE
大学が掲げる「教育」「研究」「診療・実践」という3つの柱に沿って記事がまとめられているのが特徴。
サイト設計からも大学が持つステートメントを伝えています。
金沢工業大学:Back Up
シンプルなサムネイル表示で記事がまとめられているサイト設計。
研究成果やコラム的内容のものだけでなく、教授推薦の本の紹介、卒業生インタビューなどが掲載されています。
大学内の情報を主に発信している事例
受験生や在学生、卒業生に向けて大学の情報を発信している事例をご紹介いたします。
学内コミュニティ強化や受験生の志望度向上に役立つアイデアが盛り込まれている記事が多数あります。
東京大学:キミの東大
東京大学を志望、興味を持っているユーザーに向けて研究内容や大学での様子を発信しています。
地方から志望する受験生に向けた情報や応援メッセージなど、ターゲットを絞ったコンテンツが目立ちます。
大阪府立大学:ミチテイク・プラス
卒業生インタビューや施設の取り組みの紹介に加えて、数多くの在校生インタビューが掲載されており、大学の持つ雰囲気や通う学生のイメージを発信しています。
名城大学:MEIJO MAG
イラストやカラフルな背景だけでなく、記事のサムネイルも工夫されており洗練されている印象のメディアです。
インタビュー記事だけではなく部活動の様子を映像で見ることができたりと、実際の学生を近くに感じてもらうための工夫もなされています。
国士舘大学:KOKUSHIL(コクシル)
キャンパス内だけにとどまらず、グルメや文化財、催しなど近隣の名所に関する記事が掲載されており、リアルに学生生活をイメージできるようなメディアです。
専修大学:専修大学ドットコム
朝日新聞デジタルと連携し、部活動の功績や卒業生インタビューなどが掲載されています。
インタビュー記事をメインに、大学のリアルな姿を伝えています。
横浜国立大学:横国naviGATE
横国生の生の声を届けるWebマガジンをコンセプトにさまざまな情報を発信しています。
インタビュー記事だけでなく、受験制度や合格体験記などの受験に関する情報や、入学してから行われる試験や行事に関する情報などが掲載されており、学生に対するサポートが厚い印象を受けます。
横浜市立大学:ヨコ知り!
卒業生インタビューに加え、入試制度の解説やそれぞれに合わせた受験対策の情報までを大学側から発信している珍しいメディアです。
受験生時代にフォーカスしたインタビュー記事などもあり、受験生の志望度を向上させる工夫が多くみられます。
東海大学:TOKAISM(東海イズム)
毎日新聞と連携し、大学教員が執筆する記事が多く掲載されています。
全体的にアカデミックな印象のあるメディアで、研究機関としての側面を発信しています。
津田塾大学:plum garden
サイト全体にパステルカラーがあしらわれており、女子学生にフィットしている印象を受けます。
インタビュー記事だけでなく、キャンパスレポートや写真を集めて、「それに関して一言」といった記事も見受けられ、職員や学生が何を考えながら生活しているかを窺い知ることができます。
東京外国語大学:TUFS Today
大学教員の著書紹介とインタビュー記事の2本の柱で構成されているメディア。
動画や写真などが大きく配置されており、親しみやすさを演出しています。
大東文化大学:Daito Eyes
受験生向けの情報をまとめた記事や、体験授業の動画など、受験生の志望度を向上させる内容の記事が多く掲載されています。
おすすめ記事や閲覧ランキングの欄など、便利な機能も搭載。
インタビューを主に掲載している事例
在学生や卒業生、また大学教授などのインタビュー記事を中心に発信している事例をご紹介します。
大学の様子や特色を実際の大学関係者から発信してもらうことで学内イメージの向上に役立ったり、卒業生の進路から大学卒業後のキャリアをイメージすることもできます。
法政大学:HOSEI Orange Community
校友会ネットワークのつながり強化を目的として、さまざまなキャリアの卒業生インタビュー記事が掲載されています。
そのほかには校友会組織で行われているイベントの情報などを発信しています。
関西外国語大学:Take Action!
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って変化していく日常の中で、ポジティブに生きていくためのメッセージや情報を発信しています。
応援メッセージ動画や在校生、卒業生インタビュー、今だからこそ挑戦できるワークショップ情報などを掲載。
中央大学:Chuo Online
職員の寄稿記事がメインで、研究内容に基づいたアカデミックな記事が多く掲載されています。
英語表示に対応しているなど、大学のグローバルな一面も窺い知ることができます。
動画で情報を発信している事例
動画形式での情報発信の事例をご紹介いたします。サムネイルや企画など、動画作成のアイデア発見になれば幸いです。
青山学院大学:青学TV
YouTubeで配信されている内容をホームページ上にまとめ、部活動、キャンパス案内、研究内容などにカテゴリ分けして情報発信を行なっています。
内容だけでなく、動画のサムネイルもクオリティが高く、広く情報を届けるための工夫がみられます。
桜美林大学:Real VOICE 百花綾乱
各方面で活躍する卒業生や在学生をインタビュー形式の動画で紹介しています。
サイト全体も分かりやすくすっきりと整えられている印象があり、「どこでどんな活躍をした人なのか」が一目で分かるようサムネイルのタイトルにも工夫がされています。
ユニークな情報を発信している事例
先ほどまでご紹介してきたメディアとは少し違った切り口から情報を発信している事例をご紹介します。
学生運営のものも多く、自由な発想だからこその記事も多数あります。
大阪大学:OUlife
自由なエンタメメディアと称して学生によって運営されているメディア。
内容も生活情報だけでなく、美女スナップや漫画の紹介など、ユニークなものが目立ちます。
立命館大学:ガストロノミア
食にフォーカスして情報発信を行なっている事例です。
インタビュー記事やコラムを通して、大学だからこそできる学問的な視点から食について発信しています。
龍谷大学:Mog-lab(モグラボ)
食に関する情報を発信する大学プロデュースのメディアです。
執筆した教授や学生の情報がまとめられている機能があり、そこから別の執筆した記事へアクセスできるようになっているなど、機能面でも特徴があります。
武蔵大学:Musashi Web Magazine
学生が運営するメディアです。学生ならではの自由な視点で企画が練られており、大学の「あるあるネタ」や学生のリアルな生活の様子が発信されています。
漫画形式の記事も投稿されており、そちらも特徴的です。
神田外語大学:KUIS Style
語学系の大学らしい英語学習法の記事や、旅行記、世界各国の様子などが投稿されているのが特徴。
キャリア情報や受験生向け情報も掲載されており、幅広いユーザーに向けて作られている印象です。
noteを使って情報を発信している事例
既存のメディアプラットフォームであるnoteを利用した事例をご紹介します。
導入のハードルも低いnoteを利用した、独自の拡散戦略アイデアをみることができます。
神奈川大学
教員のコラムをメインに、学外の方でも楽しめるコンテンツを発信しています。特集記事も多数掲載。
明星大学
大学を身近に感じられるように、学長や卒業生のインタビュー連載企画を中心に掲載。
note内で新規ユーザーを増やせるよう、記事のタグ付けやアカウントの自己紹介欄などにも工夫がみられます。
山梨県立大学
大学で行われた行事や取り組みの報告をメインに投稿。
桜美林大学
校友会組織が運営する公式note。
学生時代のことから今のことまでを掘り下げる卒業生インタビューや、校友会組織に関する記事を投稿しています。
大学公式アプリで情報を発信している事例
大阪大学:マイハンダイアプリ
時間割やバスの運行状況など学生向けの機能だけでなく、受験生向けのオープンキャンパスコンテンツや、外部の人向けのWebマガジンなどの閲覧もできるさまざまな機能をアプリ内で完結させている事例です。
筑波大学:TSUKUBA FUTURESHIP
在学生、卒業生の両面に向けたアプリで、研究の情報から特別公開講義、スポーツの情報など、大学に関するさまざまな情報を閲覧できるアプリです。
おわりに
オウンドメディアに関する情報や、実際の運営事例を紹介してきました。さまざまな事例からアイデアを得て、オウンドメディア運営に活かしていただければ幸いです。
笑屋株式会社では、各大学の予算やカルチャーなどに合わせて、オリジナリティあふれるコンテンツを提案します。
「どんなコンテンツを発信すれば良いのかわからない」「どれぐらいの頻度で投稿すれば良いのかわからない」という方は、ぜひ笑屋にご相談ください。