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若手卒業生による委員会を結成。東京外語会を継続して活性化させる取り組みとは

 

中長期的に同窓会組織を維持していくために、若手卒業生の同窓会活動への参加は不可欠。

しかし、「なかなか手がかりがつかめない…」という声もよく聞きます。
日々多くの大学・同窓会/校友会がヒントを模索しているでしょう。

今回はその課題へのヒントの1つとして、若手卒業生による委員会「外語会NEXT」を組織した東京外語会の副理事長、外語会NEXT会長のお2人にお話をうかがいました。

卒業生コミュニティの運営で大切なこと若手層のニーズを的確に捉えた取り組みの内容など、貴重なお話をお届けします。

 

左:東京外語会 清水副理事長
右:外語会NEXT会長 関谷昴さま

 

 

東京外語会、若手卒業生による委員会「外語会NEXT」

ーーお2人とも、本日はお忙しいところお時間をいただき誠にありがとうございます!
まずは清水副理事長、東京外語会について教えてください。

清水副理事長
一般社団法人東京外語会は、卒業生会員1万3,000人、学生会員3,000人が所属する同窓会組織です。

任意で参加する団体ですので、卒業したら自動的に加入する形ではありませんが、卒業生の約4割ほどが会員になっています。

 

ーー会員の年齢層や職業はどのような人が多いのでしょうか?

清水副理事長
男女別ですと、入学数から女性が多いこともあり女性が5割強を占めています。年齢ベースでは20代が3分の1、30〜50代が3分の1、60代以上が3分の1というような構成です。

会員である卒業生の業種は、どこの業界が特に多いとかではなく、官公庁から商社、銀行、メーカー、起業した個人事業主まで、さまざまな場所で働いている卒業生が在籍しています。
それだけ卒業生のキャリアにおける関心も多様化しているということでしょう。

 

ーーてっきり語学系や外資系企業の割合が高いのかなと思っていましたが、本当にバラエティ豊かですね!
それでは次に関谷さん、外語会NEXTについて教えてください。

関谷氏
外語会NEXTは「東京外語会」の枠の中の1つの委員会ですので独自で会員を持っているわけではないのですが、現在14名の中心メンバーで運営しています。

東京外語会公式サイト「組織概要

 

関谷氏
コンセプトに「未来を作る外語会」を掲げており、若手卒業生のコミュニティ活性化をメインに活動を行っています。

具体的な活動内容ですと、Facebook上でのコミュニティ運営や、オンライン・オフラインでのイベント実施等があります。

 

ーー外語会NEXTの活動費は、東京外語会本体から予算が出ているのでしょうか?

関谷氏
おっしゃる通りです。外語会がもっと魅力的になるためには何が必要かを洗い出した中期ビジョンがありまして、その中でも外語会NEXTの活動は好意的なものとして認識してもらっていています。

他委員会の方も協力的ですし、予算の面でもかなり後押ししていただいています。

 

卒業生コミュニティを盛り上げるための役割と、コミュニティ運営のポイントとは?

ーー他大学同窓会と比べてFacebookコミュニティのアクティブ率がかなり高いとお見受けしますが、参加者数やコミュニティ内での動きなど詳しく教えてください。

関谷氏
大学関係者が誰でも参加できるグループになっていて、約3,800人が参加しています。

コミュニティ内での会話の内容としては、自分がやっている活動の支援を募ったり、「インディーズ映画の脚本を書いたので、みなさんぜひ観に来てください!」といった自分の活動を宣伝する内容もあったりします。

また海外在住の参加者からは「今度○○の国で同窓会を企画しようと思うので、ぜひ参加してください!」といった感じで支部ごとの同窓会の告知が行われることもあります。

外語会NEXT運営のFacebookコミュニティ
TUFSコミュニティ

 

ーーそういったコミュニティで活発な交流を維持するのはなかなか大変なのでは…? と思いますが、卒業生コミュニティの運営におけるポイントは何でしょうか?

関谷氏
大きな組織としてコミュニティを運営するとなると、コミュニティ上での取り組み一つ一つに時間がかかってしまったりしますが、タイムリーな企画、情報、発言に対するレスポンスがコミュニティ運営で重要なポイントで、そのようなところからコミュニティに対する帰属意識だったり、人と人との付き合いが醸成されていきますので、そういった部分を外語会NEXTで後押しするようにしています。

清水副理事長
やはり、コミュニティ自体やそこに属している人たちに対する信頼感がないと自分のことを発信しようとは思わないですよね。

我々が通っていた大学はそこまでのマンモス校ではなかったので、同じ大学で苦労してきた仲間という意識もあり、同窓生に対する安心感などはもともとある程度あったのかもしれません。

 

ーー大学の規模が大きかったとしても、学部や学科ごとなどでコミュニティを作っていけば同窓生に対する安心感の部分は担保できそうですね。
ところで、外語会NEXTのメンバーはどのように選ばれているのでしょうか。

関谷氏
自分の知り合いなど身近な人間が参加してくれるパターンが多いですが、外語会NEXTのイベントを開催した際に「自分もぜひ関わりたい」と企画がきっかけとなってメンバーになってくれることもあります。

 

ーー東京外語会の認知拡大や同窓会活動への参加を促すために、在学生や卒業生に対して告知等でアプローチをすることはありますか?

関谷氏
外語会は海外に55の支部があり、もともと校風として多くの学生が留学に行くので、留学先にいる支部の卒業生にいろいろお世話になったりすることで外語会に関わることも多いようですね。

あとはSNSの活用や、TUFSコミュニティ等を通して外語会コミュニティに触れてもらうことでアプローチをしています。

清水副理事長
外語会を身近に感じてもらうという部分ですと、卒業生3〜4人が毎日いる常設の事務所が大学キャンパスの中にあります

そこでは学生からの就職、留学の相談から人生相談までざっくばらんに対応しておりますので、物理的にも心理的にも身近に感じてもらえる施設になっているかと思います。

 

ーー物理的な距離の近さ、という部分も大事かもしれませんね。

清水副理事長
キャリア支援制度という取り組みもやっており、これは学生から希望があれば、卒業生に直接キャリア相談等のコンタクトが取れる仕組みです。

学生の興味関心や、望む働き方の多様化に対応するべく、さまざまな業界、働き方でキャリアを送っている卒業生68人を外語会で相談員として選任しています。

 

卒業生、在学生双方が充実するコンテンツで大学へのエンゲージメントを高める

ーー外語会NEXTが発足される前、東京外語会を運営していくうえでどのような悩みがありましたか?

清水副理事長
若手卒業生の会員比率が増加傾向にあった一方で、若手のニーズにどう対応していくかという課題がありました。

若手卒業生とベテラン卒業生の間では世代間のギャップもありますし、若手や在学生といった若年層会員に向けては若手卒業生との接触の機会を持ってもらうべきと考え、平成の会 (現:外語会NEXT) を外語会の中の委員会として作ったという流れです。

 

ーー若手のニーズは若手の組織に任せる。非常に合理的な解決策ですね…!
普段の活動で、外語会NEXTと東京外語会全体が一緒にイベントやプロジェクトを進めていくこともありますか?

関谷氏
はい、もちろんやっています。
企画の中心は外語会NEXTのメンバーがやりながら、メルマガ配信であったり、誰かに声を掛けてほしいイベントの時などは委員会の垣根を超えて協力しながらプロジェクトを進めています。

 

ーー「若い卒業生が同窓会活動になかなか参加してくれない…」「卒業生コミュニティが盛り上がらない…」という悩みを多くの同窓会役員さんからお聞きしますが、イベントへの参加率、コミュニティのアクティブ率を高めていくためには何が1番重要だと思いますか?

清水副理事長
イベントの内容はもちろん、コミュニティに参加している実感と、参加したことによる充実感の部分が1番重要なのではないかと考えています。

年会費を払って加入してもらっているわけですから、中身の部分がしっかりしていないと加入・参加はしてもらえませんよね。

より充実した組織にしていくにはどうしたらいいか、日々試行錯誤しているところです。

 

ーーなるほど! コミュニティに参加している実感とその後の充実感。それらを醸成するための日々の同窓会活動や情報発信が大切なんですね。
卒業生や在学生に好評だったイベントはありますか?

関谷氏
前身である平成の会で2017年からはじまった「夏の大人の外語祭」という100名ほどが集うイベントは非常に好評で、その後2018年、2019年と対面で実施し、2020年からはコロナ禍の影響もありオンラインに移行して行ってきました。

 

関谷氏
今年から「TUFES (タフフェス)」と名称を変え、全世界展開も視野に入れて今後さらに推進したいと思っています。

TUFES2022 特設サイト

 

関谷氏
過去には、若手卒業生が在学生のキャリア相談をするイベントも好評だったようです。
やはりベテラン層の卒業生と在学生では就活の環境も違うでしょうし、年の近い卒業生が相談役になってくれると参加しやすいのかなと思います。

清水副理事長
キャリア関係は在学生の関心が高い分野です。正式な単位が出る講義として、さまざまな分野で活躍する卒業生のお話を聴きながら質問もできるという授業を外語会の寄付で実施しています。

また、外語会が開催している「卒業生と話そう!」という企画では、卒業生が1ヶ月に1人くらいのペースで在学生と交流するというイベントもあります。

関谷氏
もしあの」という企画も好評でしたね。
これは講演会のように一方的な情報発信ではなく、卒業生が学生時代に戻れたらどんなことをやっておきたかったか、大学時代の自分に会えるとしたら何を伝えたいか、というテーマで行うワークショップ形式のイベントです。

 

関谷氏
先日の回では、自分の好きなことをどうやったら仕事に繋げていけるかという話題で、学生が「自分だったらこう考えるな」など自分事として吸収しつつ、卒業生とフラットな関係で話し合いながら進めていける企画を行っています。

イベント後は参加者みんなでご飯を食べに行ったり、そのくらいの距離の近さでやっているイベントです。

 

ーー夏のイベントもとても楽しそうでしたし、卒業生と交流しながらキャリアについて考えられるイベントや講義も本当に面白そうです! 自分の母校でやっていたら絶対参加したいと思いました!
企画の立ち上げにあたって、卒業生からの意見の吸い上げはどのようにされていますか?

関谷氏
イベントをやるとなると「どういう人がどういうことで困っていて、その人がもっと活発になれるにはどういう企画があればいいか」という肌感覚で進めた方がやりやすいので、日頃のヒアリングを基にしている場合が多いです。

アンケート形式の意見はデータとして持っておきたい部分はあるんですが、そこに書かれている言葉そのままではそれほど意味を成さないと思っています。
その言葉の裏にはどんな意図・課題が隠れているのかという部分が重要なのではないかなと。

また、イベントの運営側にも積極的に卒業生に協力していただいています。例えばイベントに使うデザインや動画にも力を入れているのですが、そういった部分はデザイナーをやっている卒業生や映像制作に関わっている卒業生に協力してもらっています。

ありきたりなものではなくて、時勢に合わせたものを作ってもらえますし、デザインをする卒業生側としてもチャレンジしてみたいことがあるならそれに挑戦できる環境となっています。
できるだけ双方にとって良い関係で協力し合えるようにしたいと思っています。

 

常に未来に向けた思考。若手層・ベテラン層それぞれの東京外語会への展望

ーー東京外語会の活動についてお話を聞いていて、清水副理事長がおっしゃっていた「同窓会活動への参加率を高めるために重要なのは、コミュニティに参加している実感と参加したことによる充実感」を実現している取り組みばかりだなと感じました。

多くの人の同窓会のイメージは「過去のことを語り合って楽しむ交流」が強いと思いますが、外語会NEXTの展望として「未来を作る」というところに重点を置いている理由はなんでしょうか?

関谷氏
自分自身が大学の先輩や友人たちを訪ねながら世界を旅した際の経験から同窓会組織の力の大きさは身をもって知っていましたし、先輩卒業生との出会いが人生を変える可能性もあります。

同窓会というと、過去を懐かしむことに終始してしまいがちなイメージがありますが、それだけではないことを示すアンチテーゼとして「未来」に重点を置いています。

主に若手の卒業生や在学生がこれから人生を形作っていく際に同窓会組織のネットワークが活かせればと思っています。

清水副理事長
東京外語会はそれなりに古い歴史を持つ組織なんですが、時代と社会の変化に応じて同窓会に対する期待・要望も変化してきて当然だと考えています。

「今の時代に相応しい同窓会とはどうあるべきか」という点について、常に議論をしてきています。

 

ーー旧態依然とした同窓会組織もある中で、未来に向けた働きかけを続けている事例は珍しいのではと思いますが、どのようにしてその姿勢を維持しているのですか?

清水副理事長
もちろん自分の任期中に問題がなく終われればそれでいい、という考え方もありますが、それでは人生つまらないですし、たまたま出会った人たちと触れ合ってこの組織が成り立っているわけですから、せっかくなら一緒に何かを動かしていこうという気持ちが社会を動かしているのではないでしょうか。

少子高齢化の中で大学が統合していく流れもありますが、「どんなことがあっても自分たちでやれるだけのことはやっていきたい」という気持ちで活動しています。

 

ーー常に未来のことを考える役員が同窓会組織にいらっしゃると、若手卒業生も大変心強いし活動にもっと参加したくなりますね。
卒業生に「積極的に同窓会活動に参加したい・参加し続けたい」と思ってもらうために、何か心がけていることはありますか?

清水副理事長
まずは会員同士が知り合う場を作るということと、そこで終わるのではなく成長の機会にしていけたらと思っています。

自分たちの知らない卒業生がたくさんいるわけですから、知り合う場を作り、新しい考え方や信念を見つけたりしていく中で、外語会のメンバーでいることの満足感を感じてもらえればいいなと思っています。

 

ーーさいごに、今後お2人が考える東京外語会の展望や、若手とベテラン両者がお互いに期待することについてお聞かせください。

清水副理事長
将来価値のある同窓会にするためには、世界中にある同窓生コミュニティを繋げるネットワークを作り、在学生・卒業生、もっと格好よく言えば社会にとって役に立つ組織になりたいと考えています。

その部分はぜひ外語会NEXTに旗振り役となってチャレンジしていってほしいです。

関谷氏
東京外語会全体として、もっと魅力的な組織になっていきたいと思っています。そのために、外語会が持っているリソースを整理し、効果的な形で会員や社会に還元していきたいと考えています。
また、外語会NEXTとしても、イベント等を実施するにあたって各委員会と積極的に関わっていき、それぞれ連携しながら横ぐしで進めていける体制を整えていければと思います。

何より、活動を通してより多くの若手卒業生に関わってもらえるような仕組みを作り、継続的に同窓ネットワークの恩恵を会員・大学・在学生が共有できるように取り組みを進めていきたいです。

ーー東京外語会が同窓会組織として活性化しているのは、お2人のように常に未来へ向かった組織の在り方を模索する考え方と、それぞれの世代の組織が一体となって東京外語会をより良くしていこうという姿勢があるからこそなんだなと、大変勉強になりました。

取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!

 

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